【看護学生必見!】薬剤師が教える看護師のための薬理学!

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薬理学は看護学生にとって、医療現場での患者ケアに欠かせない重要な科目の一つです。
薬の作用や副作用、投与方法などを理解することで、適切な看護ケアを提供できるようになります。

本記事では、薬理学の基本的な概念を簡潔に説明し、臨床で役立つ知識を深めるお手伝いをします。

目次

薬剤師が思う、看護師に必要な薬理学の知識

看護師は患者の薬物療法を直接サポートする立場にあるため、薬理学の基礎知識は不可欠です。しかし、薬の専門家である薬剤師から見た場合、看護師に求められる薬理学の知識には、どのようなポイントがあるのでしょうか?

重要な項目を5つまとめてみました。

  • 薬の作用機序と患者状態への理解
  • 薬の副作用とその早期発見
  • 薬物相互作用の理解
  • 患者への投薬指導の重要性
  • 特定の患者層における薬物治療の配慮

薬の作用機序と患者状態への理解

薬剤師として、看護師に求める薬理学の最も重要な知識は、薬の作用機序とその影響を理解することです。特に、慢性疾患を持つ患者や、複数の薬を服用している患者の場合、薬の効果がどのように現れるのかを把握していることが大切です。

例えば、抗高血圧薬の作用を理解していれば、血圧の変動を観察しながら、適切なタイミングで患者に対して注意を促すことができます。

薬が作用する仕組みについては、次の記事も参考にして下さい!

薬の副作用とその早期発見

看護師が日常的に患者を観察する機会が多いことを考えると、薬の副作用を早期に発見し、対処する能力は非常に重要です。薬剤師としては、特にリスクの高い薬(抗凝固薬、抗菌薬、抗癌剤など)の副作用や、患者の状態に応じた注意点を把握してもらいたいと考えます。

例えば、ワルファリンの使用中は、出血の兆候に注意する必要がありますし、腎機能が低下している患者に対する抗菌薬の投与では、腎毒性のリスクを常に念頭に置く必要があります。

薬物相互作用の理解

薬物相互作用は、複数の薬を投与する際に非常に重要なポイントです。看護師が薬の相互作用を正しく理解することで、患者が望ましくない反応を起こすリスクを減らすことができます。

例えば、抗凝固薬とNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)を同時に使用する場合、出血リスクが高まる可能性があるため、看護師はこの点に注意し、必要に応じて薬剤師と協力して調整を行うべきです。

患者への投薬指導の重要性

薬剤師は、患者に薬の使い方や注意点を説明する役割を担っていますが、看護師も日々のケアの中で患者に薬の指導を行うことが求められます。看護師が薬理学の知識を基に、薬の正しい使い方や服薬のタイミングを説明できれば、患者の薬物治療がより効果的に進むでしょう。

例えば、インスリン注射を行う糖尿病患者に対して、薬の効果発現時間や、食事との関係をしっかり説明することが重要です。

特定の患者層における薬物治療の配慮

薬剤師としては、特定の患者層(高齢者、妊娠中の患者、小児など)に対する薬物治療への配慮も、看護師に知っておいてもらいたい点です。

高齢者は代謝が低下していることが多く、薬が体内に長く留まる可能性があるため、看護師は投与量や投与間隔に特に注意を払う必要があります。

薬理学の知識を活用して、患者の年齢や体重、臓器機能に応じた適切なケアを行うことが大切です。

看護師国家試験における薬理学(薬関連)の出題頻度

では、実際に看護師国家試験における薬理学(薬関連)の出題頻度はどのようになっているでしょうか。

直近の第113回看護師国家試験で見てみると、薬理学(薬関連)の問題はなんと9問でした。(私が問題を見て薬理学の知識が必要だと感じたり、薬関連の問題をカウントしています。)

看護師国家試験の問題数が240問であることを考えると決して多い数字ではありません。

ただし、以前と比較すると薬に関する問題が少し増えている傾向にあります。このことから今後も薬理学や薬に関する問題は重要視されてくる可能性も高いと感じています。

薬理学は看護師として働く上で重要?

これは現役の看護師さんに実際に行ったアンケートの結果です。

圧倒的に「嫌い」が多いですよね・・・

わかります・・受容体や薬の名前なんてややこしくて覚えにくいのが多いですよね・・・

でも次にこんなアンケートをとってみました。

薬理学で勉強した内容が、実際に働く際に必要と感じた看護師さんは9割以上でした。

どの診療科で働く場合でも、必ずと言っていいほど薬の知識が必要になってきます。

何も知らずに薬を使用する事と、薬理学を理解した上で薬を使用する事では大きく意味が変わってくると思います。

このように「苦手・嫌い」と感じることが多い薬理学ですが、実際に働く上では重要な知識であることがわかりました。

どんな範囲を取り扱っていくのか?

単に「看護薬理学」といっても範囲も広く、突き詰めていくと膨大な勉強時間が必要となるため、教科書として使用されている「系統看護学講座 専門基礎 薬理学」の内容を中心に、看護師国家試験に出題されたテーマや実際に薬剤師から見て看護師として働く際に注意が必要なポイントに絞ってお伝えしていきます。

そもそも薬剤師とは??

薬剤師は、薬に関する専門的な知識を持ち、患者さんの健康管理をサポートする医療職です。

薬剤師の主な役割と仕事内容

薬剤師の主な役割と仕事内容について、以下にまとめました。

  • 薬の調剤
  • 薬の管理と供給
  • 服薬指導とアドバイス
  • 医療チームでの連携
  • 健康管理と予防

薬の調剤

  • 処方箋に基づく調剤: 医師が書いた処方箋に従い、正確に薬を調剤します。これには、薬の量や用法を確認し、適切に準備する作業が含まれます。
  • 患者さんへの説明: 調剤した薬の使い方や服用スケジュール、副作用について患者さんに説明します。
イブしろ

最近は調剤業務も機械化が進んでいるので、自動で注射のアンプルやバイアルを用意する『注射薬自動払い出しシステム』などが取り入れられている病院も多いです。

薬の管理と供給

  • 在庫管理: 薬局や病院で薬の在庫を管理し、必要な薬が常に揃っているようにします。
  • 品質管理: 薬の品質や有効期限を確認し、適切に保管します。

服薬指導とアドバイス

  • 服薬指導: 患者さんが薬を正しく服用できるように指導します。これには、薬の効果や副作用、飲み合わせについての説明が含まれます。
  • 相談対応: 薬に関する質問や悩みに対して、専門的なアドバイスを提供します。

医療チームとの連携

  • 医師との連携: 医師と協力し、患者さんに最適な治療法を決定するための情報提供を行います。
  • 看護師との協力: 看護師と共に患者さんの治療計画を見直し、薬の効果や副作用について共有します。

健康管理と予防

  • 健康相談: 生活習慣の改善や病気の予防に関するアドバイスを行います。

薬剤師の人数

令和4年12月31日の全国の薬剤師数は、『323,690人』です。男女別で見ると、「男」124,183人、「女」199,507人と女性の割合が多いです。

薬剤師の就職先

主な就職先としては、薬局が約60%と1番多く、次に病院(診療所)となっています。厚生労働省のホームページから、令和4年のデータをもとにグラフを作成しました。

まとめ

看護師国家試験における薬理学は、全体の出題数から見ても決して大きなウエイトをしめるわけではありませんが、実際に看護師として働く上で重要な知識であることには間違いありません。

薬理学は看護師が日々の業務で必ず活用する重要な知識です。薬の作用や副作用、ADMEのプロセスを理解することで、患者の薬物療法をサポートし、適切なケアを提供できるようになります。

看護学生のうちからしっかりと薬理学を学び、臨床現場で役立つスキルを身につけていきましょう!

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