薬の剤形について
こんにちはー!今回は薬の剤形「形」について勉強していきます。
薬の「形」ってどんなものがあるんですか??
錠剤や注射剤など種類はたくさんあって、それぞれの剤形に「メリット」、「デメリット」があるので詳しく見ていきましょう!
様々な剤形とその特徴
医薬品はその疾患や症状、患者さんの特性に合わせて、最も効果的に作用するように様々な剤形のお薬が開発されています。
- 内用剤
- 外用剤
- 注射剤
使い方を間違えると、効果が得られないだけではなく副作用の原因となることもあるので、剤形の特性を理解して上手な薬の選択ができるよう目指していきましょう。
たくさんの剤形があるため、今回は「内用剤」に分類される薬について説明していきます。
内用剤
錠剤(裸錠)
粉末の原薬(有効成分)を添加物と共に加圧して固形にした製剤
- 成人では最も飲みやすい
- 刻印(錠剤に書かれているマークや文字)で薬の判別ができる
- 軽量でかさばらないため持ち運びやすい
- 小児や高齢者など嚥下機能(飲み込む力)が弱い人は飲み込みにくい
- 同じ色や刻印が数字やアルファベットだけの記載では患者さんとしては薬の判別をしにくい
フィルムコーティング錠
裸錠をフィルムでコーティングした(覆った)製剤
- 苦味やにおいがある薬をマスキングする(隠す)ことができる
- 光や湿度に弱い薬を守ることができる
- 刺激のある薬による胃腸障害などの副作用から体を守ることができる
- 胃酸で薬が分解されるのを防ぐ
- コーティングが剥がれるので粉砕(薬を粉々にすること)や半錠(薬を半分に割ること)ができない場合もある
完全に匂いや味が消失するわけではありませんが、本当に糖衣錠ができてよかったと思います・・人によってはあの匂いが好き!って人もいますよね。。。
チュアブル錠
口の中で溶かしたり噛み砕いて使用する製剤
- 噛み砕いて飲めるので錠剤を飲むのが苦手な小児の薬や錠剤のサイズが大きい薬に使用される
- 水がなくても飲むことができる
- 薬によっては噛まずにそのまま飲み込んでしまうと、溶けにくくなかなか吸収されないものもある
- 噛み砕く力が弱いと服用しづらい
口腔内崩壊錠(OD錠)
口腔内で溶けるように作られた製剤
- 口の中ですぐに溶けるよう設計されており、水がなくても飲むことができる
- 嚥下機能が低下していて錠剤を飲むのが困難な人でも簡単に飲むことができる
- 錠剤が大きくても飲みやすい
- 水分に弱く、PTPヒート(薬が入っているシート)から出したり、一包化(PTPヒートから取り出した薬を一つの袋にまとめること)をすると錠剤が崩れてしまう可能性がある
- 口の中で崩壊した薬の「味」や「舌触り」が不快に感じることもある
水なしで飲めて、すぐに使えるのはとても便利ですよね。電車の中とかで急にお腹が痛くなった時にお世話になります。
カプセル錠
粉末や液状の薬剤をカプセルに充填した製剤
- 錠剤と同じく成人では飲みやすい
- コーティング錠と同様に匂いや味をカプセルに入れることで隠すことができる
- 大きさや溶けやすさが違う薬を一緒に飲むことができる
- カプセルの材質によっては喉にはりついて飲みにくい場合もある
脱カプセル可能なものは限られていますが、当院でも脱カプセルをすることがあります。ただし量が多いととても時間がかかります・・・簡単にカプセルが壊れないように作ってくれている証拠ですが、、、
散剤・顆粒剤
薬物を粉末や微粒状にした製剤
- 年齢や体重に合わせて投与量を調節できる
- 数種類の薬を混ぜて一つにまとめることができる
- 早く体内に吸入されるので早い効果が期待できる
- 口の中に粉が残ってしまいうまく飲めないことがある
- 苦味やえぐみを感じることがある
- 薬が入っている袋(薬包)に薬の名前がないと何の薬かわからない
液剤(シロップ剤)
シロップ剤とは液状の薬で甘みをつけた製剤
- 甘くて飲みやすい
- 子供でも飲むことができる
- 投与量の調節がしやすい
- 味によっては飲みにくいものもある
- 雑菌が増える可能性があるため長期保存はできない(錠剤などと比較して使用期限が短い)
- 持ち運びが難しい
まとめ
今回は薬の剤形(内用剤)の種類とそれぞれのメリット及びデメリットについてまとめました。
飲み薬だけでもいっぱいありましたね。既にお腹いっぱいです。。。
薬は内用剤以外にも「外用剤」や「注射剤」があるので、それぞれのメリットやデメリットについてもまとめていきたいと思います。
皆さん、お疲れ様でした!