薬の剤形:外用剤💊

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今回は剤形のうち「外用剤」について見ていきましょう!

前回の「内用剤」の記事をまだ見ていない人はそちらから勉強していただくのをお勧めします♪

目次

外用剤

舌下錠

舌下に挿入して口腔粘膜から吸収させる製剤

メリット デメリット
  • 即効性がある
  • 飲み込むことができなくても使用できる
  • 飲み込むと効果がない薬もある
急性心筋梗塞や狭心症発作時に使用される「ニトログリセリン」が舌下錠の代表例です。ニトログリセリン舌下錠は、①口腔粘膜から吸収されるため即効性があり、②血管を拡張させて(広げて)心臓への血流量を増加させることで効果を発揮し、③速やかに効果が消失します。副作用としては、血管拡張作用による「血圧低下」や「頭痛」「めまい」などが挙げられます。特に、「血圧低下」によって起こる可能性のある転倒には十分注意が必要です。看護師国家試験の問題でもよく問われる内容のため覚えておきましょう!

第100回 午後17問

ニトログリセリンの副作用はどれか。

  • 1. 多 尿
  • 2. 易感染
  • 3. 血圧の低下
  • 4. 消化管からの出血                  解答:3

看護師国家試験より引用

イブしろ
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ニトログリセリンに関しては、副作用(血圧低下など)や剤形、作用機序(血管拡張)について聞かれることが多いので頑張って覚えましょう!あと、舌下錠って口の中に入れるのに「外用剤」に分類されるのも間違えやすいよね・・・

トローチ

口内で崩壊させ(溶かして)、口腔などの粘膜に殺菌、収歛作用などを示す製剤

メリット デメリット
  • 薬局やドラッグストアでも簡単に購入することができる
  • 噛み砕いたり、飲み込むと効果が発揮できない
今は喉の殺菌だけではなく、「咳止めの成分が配合されたトローチ」や「漢方薬が含まれているトローチ」など色々な種類のトローチがあります。
イブしろ
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トローチも舌下錠と同じく、口の中に入れるのに「外用剤」に分類されるので注意して下さいね。今回は紹介していませんが、「バッカル錠」という「歯茎と頬の間に挟んで口腔粘膜から吸収させる薬」も外用剤に分類されるのであわせて覚えて下さいねー!

軟膏・クリーム剤

半固形状で皮膚に塗布する製剤

メリット デメリット
  • 簡単に部位に塗布することができる
  • 直接病変部に塗布することで他の部位に対する影響を最小限に抑えることができる
  • ベタつきなどで不快に感じることもある
  • 衣服に薬が付いたり、洗い流されて効果が薄れることがある
イブしろ
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また、「軟膏剤」と「クリーム剤」でも違いがあるのでそちらもまとめてみました。

軟膏剤:油性の基剤が主体 クリーム剤:油と水を混ぜた基剤
  • 刺激が少なくほとんどの皮膚疾患に使用できる
  • 保湿力が高い
  • カサカサ(乾燥)やジュクジュク(浸潤)したところにも使用できる
  • ベタつきが強く衣服などにつきやすい
  • さらっとしていてのびが良くベタつきにくい
  • 浸透しやすい
  • 簡単に洗い流せるが、汗とかでも流れやすい
  • 軟膏よりも刺激が強いので傷やじゅくじゅくしたところには使いにくい
皮膚用薬には他にも、「スプレー剤」や「ローション剤」などの剤形もあります。
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ローション剤だと、「ロキソニンSローション」や「ボルタレンEXローション」などが薬局でも見ることのある「ローション剤」ですね!

吸入剤

薬剤が加圧式定量噴霧式吸入器(pMDI)やドライパウダー吸入器(DPI)に装填されているものや、ネブライザを用いて吸入する液剤などの製剤

メリット デメリット
  • 飲み薬と比較して少量で効果が得られ、全身性の副作用リスクが低い
  • 薬が装填された機械(デバイス)の種類が多いため個人の状態に合わせたデバイスを選択することができる
  • ものによっては吸入できているか分かりにくい薬剤もある
  • ステロイド含有の吸入剤を使用した後にうがいをしないとカビが発生することがある
  • デバイスによっては操作が複雑で使用が困難な場合もある
イブしろ
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私も「咳喘息」に対して吸入剤を使用することがありますが、しっかり吸えているか気になることもあります・・そんな時は吸い残しが無いように1回のお薬のセットで2〜3回吸ってみたり、吸い終わった後のデバイスの口元を色のついたところでトントンと叩いてみて薬が落ちてこないか確認してみたりしています。

吸入薬のデバイスには、①「自分で薬を吸い込まないといけないタイプ(自身での吸引力が必要なデバイス)」と②「出てきた薬を吸い込むタイプ(自身の吸引力はそこまで必要ではないデバイス)」があります。①のタイプは、最近では操作の簡単なデバイス(エリプタ)も増えていますが、どうしても自分で薬を吸い込む力が必要となります。②のタイプでは、吸い込む力はそれほど必要ありませんがボタン操作など力が必要な製剤(エアゾール製剤)があります。どちらも良し悪しがありますので患者さんにあったデバイス選択が必要です。詳しい内容は「喘息治療」、「COPD治療」の分野で触れたいと思います。

坐剤

薬剤を基剤により一定の形状に成形した製剤

メリット デメリット
  • 飲み薬が飲めない小児や飲み込む力(嚥下機能)が低下している高齢者でも使用しやすい
  • 肝初回通過効果を受けない
  • 食事の影響を受けない
  • 吸収が早く効果発現も早い
  • 冷所で保存されている薬剤は使用する際の温度によっては軟化していることがある
  • 吸収される前に排出されることもある
  • 薬剤投与量の調節が難しい
イブしろ
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小児の発熱時などで使用される「アセトアミノフェン坐剤」や成人の解熱鎮痛目的で使用される「ボルタレン坐剤」、麻薬の「アンペック坐剤(モルヒネ)」などが有名ですね。

ボルタレン(ジクロフェナク)坐剤の使用時は血圧低下に注意が必要です。これは解熱作用により発汗が多くなることで循環血流量が低下して血圧低下が起こると言われています。使用する際は血圧の確認をしっかり行いましょう。

貼付剤(局所作用型貼付剤・全身作用型貼付剤)

皮膚に貼付して薬の成分を標的器官に送達する製剤

メリット デメリット
  • 飲み薬が飲めなくても使用できる
  • 薬の効果が一定に得られやすい
  • 剥がれやすい
  • 被れやすいなどの皮膚トラブルを起こす可能性がある
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貼付剤による「光線過敏症」で悩む方も多いので副作用として注意が必要ですね。また、テープ剤とパップ剤など貼付剤の剤形によっても被れやすさが違ってくるので肌に合った貼付剤を選ぶ必要があります。

経皮吸収に関わる貼付剤には、局所作用型と全身作用型の2つのタイプがあり、それぞれの特徴と代表的な薬剤は以下の通りです。

局所作用型
特徴
局所作用型の貼付剤は、薬が皮膚を通して吸収され、貼付部位に直接作用することを目的としています。薬剤は主に患部の炎症や痛みを和らげるために使用され、全身への吸収は最小限に抑えられます。このため、全身的な副作用のリスクが少なく、特定の部位に限定した治療が可能です。

特徴
局所作用型の貼付剤は、薬が皮膚を通して吸収され、貼付部位に直接作用することを目的としています。薬剤は主に患部の炎症や痛みを和らげるために使用され、全身への吸収は最小限に抑えられます。このため、全身的な副作用のリスクが少なく、特定の部位に限定した治療が可能です。

代表的な薬剤
局所麻酔薬
例: リドカインパッチ。神経痛や局所的な痛みを抑えるために使用されます。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)貼付剤
例: ロキソプロフェンジクロフェナクが含まれる貼付剤。関節や筋肉の痛みを和らげるために使用されます。


全身作用型
特徴

全身作用型の貼付剤は、皮膚から吸収された薬が血流に入り、全身に作用します。このタイプの貼付剤は、経口投与や注射に代わるものとして使用され、持続的な薬物放出により、一定の薬効を長時間維持することができます。初回通過効果を回避できるため、特定の薬剤において吸収効率が向上する場合があります。

代表的な薬剤
フェンタニルパッチ
強力な鎮痛薬で、慢性的な強い痛みの管理に使われます。持続的な鎮痛効果が期待され、特にがん性疼痛に対して使用されることが多いです。
ニトログリセリン貼付剤
狭心症の予防や治療に使用され、血管を拡張し、心臓への負担を軽減します。

まとめ

外用剤は他にも、「点眼剤」や「点鼻剤」、「点耳剤」など様々な剤形が存在します。

今回は看護師の国家試験で問われそうな内容や剤形について触れましたが、今後の記事で紹介できることがあればお伝えしていきたいと思います。

次回は「注射剤」について勉強していきましょう!

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