薬の剤形:注射剤💊

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薬剤の剤形について:注射剤

今回は注射剤についてやっていきます!

内服剤や外用剤など他の剤形について勉強したい方はこちら↓の記事もお読み下さい!

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それでは注射剤について勉強していきましょう!

注射剤は血管内または皮下や筋肉などに注射して、体内に直接適用します。

注射剤のメリット・デメリット

メリット
デメリット
  • 速やかに血中濃度が上昇する
  • 静脈内注射は直接血管内に投与するため確実な効果発現が期待できる
  • 服用忘れや飲み間違いのリスクを軽減できる
  • 初回通過効果を回避できる
  • 投与する際に痛みを伴う
  • 万が一誤薬などの事故が起こった際に即効性などの利点が仇となり、副作用などに即座に対応しづらい
  • 持続効果の調整が難しい
イブしろ

注射剤は速やかに血中濃度を上げることが出来るので緊急時にも使えるけど、その分副作用や投与間違いがあった場合は対応が難しいが欠点やね。何より針を刺した時の痛みが…💦

注射剤の投与方法

注射剤には、いくつかの実施方法があります。それぞれの注射投与法ごとに特徴があるので見ていきましょう!

静脈内注射

静脈内注射は、静脈内に注射針を挿入して薬剤を注入する方法です。

静脈内注射のメリット

  • 最も速く確実な吸収が得られる
  • 血管内で薬液が希釈されるため、薬液の浸透圧が等張でなくても良い
  • 抗がん剤などの細胞毒性のある薬物も投与できる

静脈内注射のデメリット

  • 抗がん剤などの細胞傷害性が高い薬剤が血管外に漏れると、そこで炎症や壊死などの不利益を引き起こす可能性がある
  • 短時間で全量を注射する急速静注(ワンショット)は有害な副作用を発現する危険性も高い

 また、点滴を用いて薬剤を持続的に滴下しながら静脈内に投与する「点滴静脈内注射」は、

  • 確実に薬剤を血中へ吸収させつつ、急速静注で生じる血中濃度の高いピークを下げることができるので副作用のリスクが軽減できる
  • 継続的な薬剤投与が可能で、薬剤の血中濃度を長時間維持することができる

上記の利点がある一方で、

  • 長時間の投与で拘束時間が長くなる
  • 長時間針を刺すことで感染のリスクが上昇する

などのデメリットがあります。

イブしろ

急速静注も点滴静注もどちらもメリット、デメリットがあるんやね。個人的には静脈内注射で複数の薬剤を投与するときに考えないといけない「配合変化」が苦手かな・・

静脈内注射は血中濃度の上昇がどの投与方法よりも速い!

皮下注射

皮下注射は皮下の結合組織内へ薬剤を薬剤を注射する方法です。

皮下注射のメリット

  • 血管がとれない(脆い・細い)場合でも注射剤を投与することができる
  • 皮下組織は柔らかいため注射後の疼痛が少ない
  • 薬剤の吸収がゆっくりで持続的な効果が得られる
  • 比較的技術的に簡単で自己注射などで用いられる薬剤の使用に適している(インスリンやホルモン注射など)

皮下注射のデメリット

  • 脂肪層の厚さや血流の違いにより薬剤の吸収速度が変わる
  • 投与できる薬剤の量が限られており大量の薬剤を投与するのには不向き(1mL/hが推奨投与速度)
  • 点滴持続皮下注射は基本的に投与できる薬剤が限られている
  • 局所反応、組織損傷などのリスクがある

静脈内注射よりは頻度は少ないですが、皮下注射も持続点滴を行うケースがあります。

  • 血管がとれないが持続点滴を行いたい場合に投与可能

しかし、持続皮下点滴で使用される輸液や薬剤は点滴静注よりも少なく、更に投与量や投与速度、浸透圧や最大投与量など注意すべき点があります。

持続皮下注射投与時の注意点

  • 点滴速度は通常1ml/h以下に抑える必要がある
  • 1回の投与量は通常500-1000ml程度まで
  • 高張液や刺激性の強い薬剤は避ける

また輸液のうち持続皮下注射で投与できるものは、

  • 生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム液)
  • 5%ブドウ糖液(5%TZ)
  • 乳酸リンゲル液

上記のように浸透圧が体液に近く皮下組織への刺激が少ない輸液が持続皮下注射に適しています。

その他に持続皮下注射で使用されることのある薬剤としては、

  • モルヒネ注射液(麻薬鎮痛剤)
  • フェンタニル注射液(麻薬鎮痛剤)
  • ミダゾラム注射液(鎮静剤)

上記のような薬剤があり、緩和ケア病棟などにおける使用方法として有用とされています。

筋肉内注射

筋肉内注射は筋肉組織に薬剤を注入する方法です。

筋肉内注射のメリット

  • 筋肉は血流が豊富なため、薬剤が比較的速く吸収される
  • 筋肉注射は皮下注射よりも大きな薬剤量を投与できる(3-5mL程度)
  • 一部の薬剤は筋肉に注射することで徐放性の効果を得られ持続的に薬物を放出することができる

筋肉内注射のデメリット

  • 筋肉注射は皮下注射や経口投与に比べて痛みや不快感が強いことがある
  • 肉注射は皮下注射に比べて技術的に難しく適切な部位を選んで注射しないと神経や血管を傷つけるリスクがある
  • 注射された筋肉の血流や筋肉量、薬剤の特性によって吸収速度が異なることがある
イブしろ

COVID-19のワクチンも筋肉内注射やね。これはたんぱく質を作る筋肉細胞のたくさんある筋肉に注射した方が、効果が高い可能性があるみたいやね。

静脈内注射筋肉内注射皮下注射のそれぞれの吸収速度は、10.50.25 と言われています。細かい数字よりは、①静脈内注射が吸収速度が1番速くて、②筋肉内注射は皮下注射の2倍の吸収速度だということを覚えておきましょう!

まとめ

今回は注射剤についてみてきました。

静脈内注射、皮下注射、筋肉内注射と3つの投与方法について学びましたが、それぞれのメリット・デメリットを理解して適切な投与方法が考えられるようになりましょう!

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